'''堕天使'''(だてんし)とは、主なる神の被造物でありながら、高慢や嫉妬がために神に反逆し、罰せられて天界を追放された
天使、
自由意志をもって
堕落し、神から離反した天使である。
キリスト教の教理では
悪魔は堕落した天使であるとされる。
堕天使の概念は
ユダヤ・キリスト教の複雑な歴史を背景にもつ。キリスト教が
旧約と呼ぶ「ヘブライ聖書」には本来、堕天使という概念は登場しない。天使の堕天の伝説の早期の例は、後期ユダヤ教諸派において成立した、後に
外典・
偽典と呼ばれることになる文書のひとつ「
エノク書」にあらわれる。このエノクの伝承は、ヘレニズム期のユダヤ教セクトである
クムラン教団を特徴づける「善と悪の戦い」の観念とともに原始キリスト教に影響を与え、これによって堕天使の概念はキリスト教の基礎の一部となったと考えられている。
一般に堕天使の頭は
サタンとされるが、外典・偽典などでは
マステマ、
ベリアル、
ベルゼブブ、
アザゼルなどと記されている場合がある。新約聖書にはサタンの堕天を示唆する記述がいくつかあり、特に
ヨハネ黙示録第12章ではサタンが天界戦争に敗れて追放された物語が示されている。
新約聖書には多様な解釈を容れる余地があり、後世のキリスト教文学や神学において、サタンと仲間の堕天使たちをめぐるさまざまな物語や理論がつむがれている。いったい何をもってサタンの堕落の本質とするか、という問題についてもいくつかの異説がある。
J・B・ラッセルはこれについて、道徳上の頽落とする説、品格の喪失とする説、天からの追放すなわち文字通りの落下であるとする説、自らすすんで神に背き天を離脱したことをもって堕落とする説を挙げている。
堕天使を参照。
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